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船橋子ども学校支援金について

船橋子ども学校支援金について

 7月7日より多くの方にご支援いただいております、「臨時休校となった船橋の子どもと学校のための支援金」について、7月末までの実施状況をご報告させて頂きます。なお、後の検証に向け主観的な長文となっております。

二宮小学校の臨時休校から最初の支援まで

 7月6日に船橋市より、市立二宮小学校の臨時休校と在籍児童の新型コロナ陽性が発表されました。同日夜にNPO法人情報ステーションの代表等が、子どもたちと学校の支援を行う事を決定し、支援の呼びかけ文を作成、翌7日の朝にサイト上にて支援の呼びかけを掲載しました。

支援の呼びかけサイト(情報ステーション)

 同時に、日頃より交流の深い「船橋パパ会」「船橋人物図鑑」及び地域力研究所に連携しての活動を呼びかけ、当日中にはそれぞれの団体が参加し支援の呼びかけをスタートしています。その後も関係の団体に声をかけ、「船橋稲門会」などいくつかの団体が協力をしてくれているところです。

 初日7日に約4万円の支援が集まると共に、振込みでの寄付が不便との声から、PayPayを活用した寄付の集約を実施。翌8日にはクレジットカード決済も支援呼びかけのサイト上にローンチし、7月末日までに¥384,200円の寄付をお預かりしました。

 支援の呼びかけは船橋パパ会を中心に全団体で行い、寄付の受付と事務処理については情報ステーションが、支援物品の調達と経過報告については船橋人物図鑑が中心となって行っています。誰が決めたわけではないですが、それぞれの団体が自然と協力しやすい分野で連携をした結果です。

 二宮小学校については7~10日の4日間と土日を挟んで13日からの学校再開でしたので、その前に扇風機や掃除機等の支援物品を届けております。こちらは校長先生と密に連絡を取り、学校の要望をできる限り反映した物です。体温計などの一部物品は調達に時間がかかり、再開後に届ける事となりました。

市場小学校の休校

 二宮小学校の臨時休校から3日目となる9日木曜日、市立市場小学校でも児童の陽性が確認され翌10日から翌週17日までの8日間の休校が発表されました。

 前後して、市教育委員会とも連絡を取り、二宮小及び市場小への支援についてできる限りの協力をしたいという事を伝えると共に、休校直後で他の児童の検査等で学校現場も大変だろうとの判断から、市場小との調整は翌週に行う事を決定したところです。

 なお市場小への支援物品の決定については、事前に教育委員会や二宮小の校長先生より連絡を入れて頂いていたおかげで、非常にスムーズに進みました。ただし、衛生関係の消耗品が多く未だ流通量も限られることから、人物図鑑のメンバーで手分けして購入し、情報ステーションの事務所に配送してもらうという人海戦術での調達となりました。船橋稲門会および人物図鑑のメンバーからの物品提供もあり、迅速かつ一定量の提供ができたかと思います。

市場小学校への第1次支援物品

地域での反応

 支援活動を公開したその日のうちに、「船橋よみうり」の記者の方より電話にて支援活動について取材を受けました。その後ゆっくり話をする機会が無かったので、どこで知ったのかを聞けずにおりますが、火曜日の電話取材の記事が週刊の土曜日には紙面に掲載され、その記事を読んだ方からの寄付もお預かりしました。大変感謝しております。

 またWEBメディアでは、開始3日後の金曜日に「まいぷれ船橋」さんがニュースとして記事を掲載してくれています。この時点ではすでにサイト上にクレジットカード決済の機能を実装済みですので、サイトへの直接誘導は支援につながりやすかったかと思います。

 また、多くの方が支援の呼びかけページをSNS等でシェア・拡散してくださいました。若干facebook偏重だったので広がりに欠ける面もあった気がしますが、短期間での成果としては顔の見えるSNS はとてもスムーズであったように感じます。

 ただ同時に、子どもの事は親や学校が取り組むべき、学校の事は市や教育委員会がしっかりやった方が良いなど、地域の子どもと学校を支援する事への関心度合いが総じて低く感じております。これが学校や行政機関に対して絶対的な信頼があっての想いであれば何も言うつもりはありませんが、将来を担う子供たちも、有事の際には避難場所などになる可能性もある学校も、あらゆる人が属する地域社会においては重要なファクターです。

 東日本大震災から10年弱、今年はいたるところで大雨による天災が発生し、千葉においても昨年は台風の被害が甚大でした。こうしたことがあるたびに、地域における自助共助が見直されますが、一朝一夕に築けるものではありません。身の回りで困っている人がいれば支えあう事に、何の理由も要らないでしょう。有事だけでなく、これをきっかけに日常的な関心を相互に持てたらと願います。

第3者としての危惧

 両校ともに校長先生との連絡がスムーズに取れた事により滞りなく支援物品を届ける事ができましたが、現金での支援の方がより現場ではスムースであったのではないかと感じる面もあります。実際には事務手続き上の課題等を考えると、今回は現物を届ける事がスピーディに支援を実施する方法という事で、実行する事ができましたが、要望した物資が明日届くのか、来週届くのかが分からない状況というのは、早期の学校再開を目指す際には足かせになるのではと感じています。

 2つ目はコミュニケーションコストです。学校という組織にとって、子どもたちのメンタルケアや学習、体調等の確認は最優先されるべきコミュニケーションだと思いますが、保護者や地域の方、またその関係者など臨時休校に伴って発生した問合せや相談等の対応は非常に大きな負担となっていると感じます。
 前述の通り、市場小への支援物品の調整はこちらも最大限の配慮をしたつもりで、できるだけ忙しいタイミングを外し、かつ教育委員会や二宮小などすでに関係のある方から事前情報を入れてもらう事で話がスムーズに進みました。とは言え、事前になんの面識もない中で唐突に支援物品を用意するので希望を聞かせて欲しいと言われても戸惑う部分はあったろうと思います。

 連日の報道などで不安を駆り立てられている中、自分の子どもや近所でこのような事があれば、さらに不安が増して少しでもより多くの情報を得たいという気持ちも分からなくはありませんが、相手が今どう状況にあろうかを想像し、少しの思いやりで相手の負担を考慮するだけでも、めぐり巡って地域の子どもたちの環境を良くすることにつながるのではないでしょうか。

現在の支援状況と今後

 全国的に陽性者数が増えているところですが、市内の小学校は8月1日より夏休みになりました。例年の半分程度の短い休みですが、梅雨も明けて夏らしい日になってきましたので、少しでも夏休みの思い出を子ども達には作ってほしいと思います。

 しかし、今回の罹患した子どもたちは学校ではなく、家庭内での感染が原因と考えられます。その点では誰がいつ罹ってもおかしくないですし、夏休み明けも予断を許しません。

 そしてもっとも私が心配をしているのは、罹患した子どもたちが元気になって学校に戻った時に、不安や偏見を取り除き、安心して楽しい学校生活を送る事ができるかです。そのためには、まわりの子ども達やさらにはその保護者など、多くの方への配慮が必要です。これには年単位で時間がかかるでしょう。

 今回の支援活動は、学校関係者や保護者ではない第3者だからこそ自由に動けた面もあろうかと思います。その立場を活かし、社会が落ち着いた日常を取り戻すまでじっくりと取り組む必要を感じています。

 現在までの支援活動については、第1次支援として下記の通りに報告をまとめております。引き続き、地域の子どもたちが安全な環境で学習を進める事ができ、日々の学校生活の中で、健康で豊かな心とからだを育てる事ができるように、船橋の子供たちと地元の学校を支援できたらと思いますので、多くの皆さまよりご協力を賜れたら幸いです。

一般社団法人地域力研究所
代表理事 岡直樹

船橋子ども学校支援  第1次実施報告(2020/7/31)

 

引き続き皆さまのご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

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