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令和2年5月雑感

令和2年5月雑感

 本来であれば東京五輪直前のGW、国内外の飛行機や新幹線は人でいっぱいであったろうこの時期に、あらゆる交通機関でがらんと広がった静かな光景が目につきます。他方、船橋や習志野あたりの住宅街を車で走ると、ランニングやお散歩、公園などで身体を動かす人が多く散見されるのは、そういう目で見ているからでしょうか?

 テレビをつけても、新型コロナのニュースかドラマの再放送ばかりかと思いきや、数分の体操やストレッチの番組がちょこちょこと流れているようです。NHKのテレビ体操ぐらいしか知りませんでしたが、街なかにこれだけフィットネスが点在する昨今を考えると、健康に対しての意識が高まっていることを改めて時間しますし、またこういう時期だからこそ皆さん体調管理への関心が高まっていると感じます。

 観光立国を掲げ、インバウンドの拡大を目指していた我が国ですが、日本政府観光局によるとこの3月の訪日客数は前年比93.0%減だそうです。このところホテル等の倒産情報が出始めましたが、ここまで急激に減ってしまっては自力ではどうにもならない所も多いでしょう。船橋の老舗旅館も4月末で廃業されたとのニュースも流れております。

 さて、観光を旅行という面で見れば、遠い場所に長い期間出かける方が事業としての利益は大きくなります。そしてその中心は移動による交通機関と宿泊施設です。これまでは観光事業における中心はまさにここが中心でした。しかし、新型コロナ危機以降の観光やまちづくりは、同じ道のままでは歩めません。世の中が大きく変わる今、地域においてももっと足元を見るべきです。

 家の近くでも、普段歩かない道を歩いてみれば違った風景が見えてきます。日ごろは素通りする近所の公園もふと立ち寄ってみれば新たな発見があるかもしれません。遠くに人を送ったり、遠くからわざわざ来てもらうのも嬉しいですが、いま一緒にこの町に住んでいる人達に、もっと地域を回ってもらって、新しい発見、新たな出会いを見つけてもらう事が、観光や街づくりにとって必要だと感じます。

 街の中を見回せば活用できる資源はたくさんあります。東京湾の砂浜や川沿いの桜並木などの自然資源。商店街や飲食店等の産業資源や、神社や街道、街並みなどの歴史資源、そして空き家や空き店舗などの空間資源です。

 共に本来の運営は休業中ですが、大宮台ひだまりと本の家では洋室を読書室にリニューアルし、地域から集めた蔵書で交流空間を作っています。
 ちばぎんざ図書館は全面が本棚に囲まれた広い屋内スペースにテントを張って、非日常な憩いの空間を作りました。

 地域の資源をちょっと組み立て直せば、新しい価値を産み出せます。コロナ危機を乗り越えた先の光は、地域に埋もれているかもしれません。一緒に新しい時代を起こしましょう。

令和2年5月吉日

一般社団法人地域力研究所
代表理事 岡直樹


 この文章は、5月1日付で地域力研究所の会員向けに送付した郵送物に同封の書簡に加筆訂正したものです。

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